Wドライブ トヨタ FJクルーザー2021年09月06日 16:04

CCP社製の水陸両用ラジコンカーです。40Mhzタイプです。

電源オンして、最初は動くがすぐに遅くなり止まってしまうという事で修理依頼されました。

先輩ドクターの見立てでは、走行モーターのドライバーICが不良ではないかという事でした。

まず電池チェックです。電池フォルダの電池はOKでした。確認の為、手持ちの電池に交換してみましたが症状は同じです。

分解して、基板上の各部品も見た限り異常なしです。モータードライバーのICも焦げるほどは加熱していません。各部の電圧を測定しましたが遅くなってとまる時にモーターの電圧が下がること以外は問題ありません。

モーターの配線をはずして電流を測定すると1.3A程度で多すぎると思いますが、異常かどうかは判断できません。

モータードライバー付近の電圧を調べているとわかったのですが、2つあるICうち片方に信号を送るトランジスタの電圧がおかしいようです。

チェックを続けているとおかしい方のIC付近で発熱があり、この際、あやしいモータードライバー部分をそっくり外付けICと交換することにしました。

SO8パッケージのICを取り外して、入力端子のプリントパターンから前進、後進の信号のパターンにリード線をハンダづけしました。信号をチェックする為、電源を入れると、ハンダづけに失敗してショートさせてしまった。

この後、信号が生きているパターンを探し、後進は充分な電圧で取り出せましたが、前進は0.75V程度の信号しか得られませんでした。前進信号をなんとかするため、0.7V以上あるのでトランジスタスイッチで受けて、充分な電圧にしました。

外付けICは、以前にも使った東芝のTA8080K(100円程度でした)が手持ち部品にあるのでこれにしました。電源、モーターへの配線をしてテストすると、なんとか動くようになりました。

しかし、動きに力がありません。モーターを手持ち部品の12Vモーターにすると正常に正転反転します。

これは、モーターにも問題があると思い、可変電圧電源でモーターを直接駆動させて電流を測ってみました。はじめは、3V程度で、ゆっくり回して0.8A程度でした。電圧を上げていくと6V程度で2A以上になります。

単3電池なので、これはちょっと多いのではと思い、モーターのギアボックスを開けて中を調べました。 ギアをはずして無負荷にするとモーターは音もなくスムーズに回転しました。ギアを見ましたが特に異常なしでした。

再組み立てして、再度、テストを進めると6V以上にしても円滑に回り、電流も1A以下になりました。 電池6本なので通常かかるは8.5V程度まで上げても1A以内で動くようになりました。

モーターが正常らしくなったので、本体の基板に戻しチェックすると、正常と思われるスピードで回るようになりました。

しばらく動作確認を続けてから、再組み立てしました。再度、動作確認すると正常らしいスピードで動くので、一応完了とします。

その後、動作確認をして感じたのですが、走り出すと問題ないのですがスタート時の力が弱くスロースタートになります。おそらく、TA8080Kは最大1Aで過電流防止が働くので、スタート時のモーターに大きな電流が必要なのですが、1A上限なのが原因で動きが鈍くなったのではと思います。TA8080Kの仕様なので仕方がないと思います。 電源が単3電池の直列なので、1A位で十分かと思っていたのですが、瞬間的にはもう少し流れるのかもしれません。乾電池では、大電流になると内部抵抗のため電圧降下もあるので、ニッケル水素電池の方が1.2Vですが、大電流に向いているかもしれません。

とりあえず、今回は、ゆっくりスタートで勘弁してもらうことにします。

故障の原因は、正確にはわかりませんが、ギアボックス内の問題かモーター自身の問題でモーターの回転が重くなり、電流が過大になって、モータードライバー回路に負担がかかってICかトランジスタが不良になったのではないかと思います。

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